9日朝、どこかうつろな目つきで警察署を出る男。
威力業務妨害の疑いで逮捕された、21歳の吉野凌雅容疑者。
その風貌は、問題の迷惑動画に映る姿からは大きく変わっていた。
およそ1カ月前。
愛知・名古屋市にある「くら寿司」の店内で、回転レーン上に流れるすしを手づかみで取り、口に。
さらに、しょうゆさしに直接口をつけ、しょうゆを口に含んだ動画をSNSに投稿していた。
動画は拡散され、炎上。
くら寿司側が警察に被害届を提出したことで、吉野容疑者は、一緒にいた19歳の男と、自称15歳の少女とともに逮捕された。
一連の動画では、長めの金髪姿で、終始笑みを浮かべ、メイクも施しているように見える吉野容疑者。
しかし9日は、髪は黒く、青白い顔で、やや憔悴(しょうすい)しているようにも見える。
吉野容疑者「くら寿司には、迷惑をかけ申し訳ない」
住所不定・無職の吉野容疑者。
その暮らしぶりを知る人は...。
吉野容疑者の知人「“ただごみくん”とか、“ただごみさん”とか呼ばれていて、働いていないと思います。お金ないなってなったときに、ホストの体験(入店)行ってたり、5,000円から1万円ぐらいもらえるので」
そして、迷惑動画を投稿したことについては、「深く考えていなかったのでは」とも語る。
吉野容疑者の知人「多分もうノリでやろうよみたいな、炎上して(SNSの)フォロワー増やそうよみたいな。ただ単に調子に乗ってやったら、大ごとになっちゃった。多分、東京行ったり大阪行ったりして、逃げ場所、警察から隠れる場所を探していたんじゃないですか」
FNNは、そんな吉野容疑者本人に接見した弁護士に話を聞くことができた。
吉野容疑者に接見した、田村健一弁護士「最初、目が合わないし、言葉数っていうのも最初は少なかった。うつむき加減でずっと話していましたね。いつもは派手なメイクをしてて、(今回)すっぴんで見るので、まず印象が違う。実はね、(吉野容疑者に)会ったことがあるんです」
吉野容疑者と知り合いだったという田村弁護士。
東京の通称「トー横」、大阪の「グリ下」、そして、名古屋の「ドン横」などと呼ばれる場所にたむろする、未成年の若者らの支援活動を行っている。
「ドン横」に出入りしていた吉野容疑者は逮捕後、警察を通じて、田村弁護士に連絡を取ったという。
吉野容疑者「このたびは、うーんと、すしを乱暴に扱ってすみませんでした。深く反省してまーす!」
笑いをかみ殺しているようにも見える反省の態度について、逮捕後は変化したと田村弁護士は語る。
田村弁護士「表面上の悪かったっていう反省のところから、一歩一歩、その反省をもっとイメージを膨らませて、その中で彼の中では、ここは彼が(本当に)反省するきっかけになるな、そう感じた」
捜査関係者によると、吉野容疑者は、おおむね容疑を認める一方で、「注ぎ口に直接口は当たっていない」とも供述していて、警察で、さらにくわしい経緯を調べている。
FNNプライムオンライン
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