衝撃的な安さで若い世代に圧倒的な人気を誇る「SHEIN(シー・イン)」が13日、東京・原宿でオープンしました。日本初の店舗型ショールームに4000人が詰め掛けました。
■ショールーム ECサイトの“欠点”補う
13日、原宿にオープンしたのは若い人たちに人気のブランド・SHEINのショールームです。SHEINはインターネット上で展開するブランドでファッションに限らず、家具や日用品なども購入できます。
その特徴は、なんといっても安さ。指輪は5個で80円。他にも、ドレスは996円です。
日本進出は2年前。10代、20代を中心に爆発的に広まっています。
高校生:「安くてかわいい物がたくさん売られてる」「(Q.周りの人も使っている?)本当に爆買いしてる人もたくさん」「(Q.今まで何回くらい利用した?)10回くらい。一回で2、3000円くらいで買うことが多い」
ショールームでは直接手に取って、サイズや質感を確かめられるようになります。店舗での販売は行っていないため、商品に付けられた二次元バーコードでサイトから購入します。
午前6時に来たという一番乗りの男性グループはこう話します。
高校生:「5、6000円くらい使った」「安いので、1000円ぐらいでもいっぱい買える」
商品を見に来た親子:「普段から使っていて興味があった」「(Q.普段どういう物を買っている?)シュシュとかスマホケースとか洋服も買ってます」
家にあるSHEIN商品を並べてみると、床一面を覆うほどにもなりました。
商品を見に来た親子:「これも買っていい?これも買っていい?って言われて、300円ならいっかみたいな」「(Q.実際使ってみてどう?)サイズが小さかったなというのはありましたけど。他の物は金額と満足して買えるようなものばかりなので。今回、サイズが見られるという意味ではいいかと思います」
商品が届くまでサイズや質感が分からないというECサイトならではの欠点をショールームが補っています。
■“少量生産”売れそうな物だけ「増産」
なぜ、こんなに安く提供できるのでしょうか?ポイントは、少量生産とAI(人工知能)です。
SHEIN JAPAN・石井つかさマーケティングマネージャー:「新商品を発売する際に、生産量をかなり少ロットで生産。その商品が売れている数だったり、その販売スピードによって追加生産の量を決めて、その追加生産の量を最適化することで、最終的にはお客様に低価格、お手頃な価格での商品提供というところにつながっています」
多くのファストファッションが大量生産しているのとは、真逆の発想です。
どの商品も最初は100個から200個だけしか生産しないというのです。それをサイトで販売し、動向をAIで分析。売れそうな物だけ増産します。
商品のアイデアはAIを使った市場リサーチと、世界各地で行っている利用客へのヒアリングから生まれます。
石井マーケティングマネージャー:「すべてのお客様のニーズをかなえられるように、どういう物が欲しいのか、どういったサービスにすれば良いか常に聞くようにしてる」「(Q.SHEIN東京はそういう場になる?)ブランドとお客様をつなぐハブのような存在になっていきたい」
■インフルエンサーとタッグ “相乗効果”も
また、宣伝方法も独自路線を貫きます。
SHEINが力を入れているのは、強い発信力を持つインフルエンサーとの連携です。
女性2人組は、登録者数18万6000人のユーチューバーです。
ユーチューバー・びっくえんじぇる:「私たち2人とも100キロ越えなんですけど」
SHEINの製品を紹介した動画の再生回数は14万回。コメントには、「参考になりました」という感想が並びます。
ユーチューバー・びっくえんじぇる:「私たちの動画を見て、同じくらいの体型の方々が着たら、こういう感じに見えるんだって参考になるのかなと思いますね」
また、登録者数240万人を超えるティックトッカーは、こう話します。
ティックトッカー・尼崎のなつみかん:「(Q.SHEIN着て投稿した反応は?)マジエグ。めちゃくちゃ良いですよ。SHEINの良いところって、こんな派手な服もいっぱいあれば、ママが着られる服とか、清楚(せいそ)系が着られる服とかも多いから、『その服どこで買ったん』とか、いつもめっちゃコメント来ます」
SHEINにとっては、商品を知ってもらえる。インフルエンサーにとっては、再生回数が伸びるという相乗効果が生まれているのです。
この戦略について、ファッションのビジネスマーケティング専門家は、こう話します。
文化ファッション大学院大学・首藤眞一教授:「インフルエンサー、SHEINを気に入った人をうまく活用して、そこに属している集団に対して影響を与える。それが一つの特徴というか、他のブランドと違うところ」
(「グッド!モーニング」2022年11月14日放送分より)
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